2018年10月12日

2018年12月17日

つらい月経やPMSでお悩みの方、妊娠を望まない方におススメ!経口避妊薬のおすすめ【薬剤師コラム】

日本の働き方改革により、女性の社会進出も推進され、どんどん会社で活躍している女性が増えてきました。
そのため現代の女性のライフスタイルでは、妊娠を望まない方も多くなっています。
妊娠を望まない方ですと、月に1回起こる月経が煩わしく感じたり、恋人との性行為によって万が一にでも妊娠するリスクは避けたいですよね?
今回は、そんな望まない妊娠を回避したり、つらい月経の症状を抑えることができる経口避妊薬について紹介していきます。
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経口避妊薬とは?


"経口避妊薬とは?

経口避妊薬とは、主に避妊を目的として用いられる女性ホルモン製剤です。
一般的にはピルと呼ばれています。
英語で丸薬を意味するピル(pill)ですが、経口避妊薬が普及するにあたり、そのままピルという名前自体が経口避妊薬を意味する名前として認知されるようになりました。
経口避妊薬は、1錠中に2つの女性ホルモンを含有しています。
基本的な経口避妊薬は、卵胞ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲストーゲンが配合されており、1回の服用周期21錠で構成されています。
1日1錠服用するのが基本なので、経口避妊薬の種類によっては飲み忘れを防ぐために偽薬7錠を入れて、1シート28錠にしているものもあります。
女性の月経周期にあわせて、経口避妊薬を1日1錠21日服用し、7日間休薬することで強力に排卵を抑制し、確実な避妊効果を得ることができます。
ホルモンのバランスを整えることができるので、月経に伴うイライラや不安感などの月経前症候群(PMS)や月経痛などの辛い症状を改善することができます。
また、ニキビ治療や美白などの目的でも経口避妊薬を服用している方もいます。

経口避妊薬の種類は?


"経口避妊薬の種類は?/

経口避妊薬には、いくつかの種類があります。
1周期服用するエストロゲンとプロゲストーゲンの配合量が変化しないものを1相性、途中で変わるもので2~3段階になるものをそれぞれ2相性、3相性の経口避妊薬と呼ばれています。
この段階的に変化する経口避妊薬は、含有するホルモンの量、とくにプロゲストーゲン量を少なくするために、服用周期の前半は低用量にし、徐々に多くすることで自然な月経周期にあわせるように工夫がされています。
配合しているエストロゲンとプロゲストーゲンの種類や量によっても、経口避妊薬は細かく分類されています。
経口避妊薬には、エストロゲンの含有量によって低~高用量の経口避妊薬に分けられています。
エストロゲンは、高用量配合していると血栓症のような命にかかわる副作用を起こすリスクが増加します。
そのため、エストロゲンを50µg未満にした低用量の経口避妊薬が一般的に普及しており、現在ではほとんどの経口避妊薬が低用量のものとなっています。
最近では、さらにエストロゲンの量を減らした超低用量のものも開発されています。
プロゲストーゲンの種類によっても、第1~3世代の経口避妊薬として分類されています。
第1世代がノルエチステロン、第2世代がレボノルゲストレル、第3世代がデソゲストレルを含有しています。
新しく開発されたものほど、副作用も軽減され使いやすいものになっています。
最近では、第4世代の開発もされ、効果が安定してきたことから2~3相性のものでなく1相性のものも見直され販売されています。
また、適切な避妊方法をとることができずに性行為をした後に服用することができる緊急避妊薬(アフターピル)も多くの女性に使用されています。

おもな経口避妊薬と特徴は?


"おもな経口避妊薬と特徴は?/

・マイクロジノン21

有名な製薬メーカーであるドイツのバイエル社によって製造・販売されています。
有効成分のレボノルゲストレルは第2世代の経口避妊薬に分類され、世界保健機関(WHO)にも避妊効果が強く安全性が高いと認められており、緊急避妊薬としても使用されるほど効果が強力です。

・トリキュラー21

マイクロジノンと同じ有効成分レボノルゲストレルを含有していますが、こちらは月経周期にあわせて服用するホルモンの量を調節された3相性タイプの避妊薬です。
自然な月経周期にあわせてデザインされているので、安心・安全に服用することができます。

・マーベロンノベロン、フェミロン

第3世代に分類されている比較的新しい経口避妊薬です。
新しい女性ホルモン成分であるデソゲストレルを含有しています。
優れた避妊効果があるので1相性でデザインされ、その日にあわせて服用する錠剤を決まっている2~3相性のように飲み間違える心配がありません。
・ヤスミン

第4世代に分類される最新タイプの経口避妊薬です。
ドスピレノンという黄体ホルモンを含有し、副作用を起こしにくく効果が強いので、いま1番注目されている避妊薬です。

・緊急避妊薬
ノルレボ(アイピルポスティノール
日本でも承認されている最もオーソドックスな緊急避妊薬。
安全性が高く副作用が少なく、性行為の後に速やかに服用することでかなりの高確率で望まない妊娠を回避することができます。
排卵日が近くなければ、72時間以内に服用することで90%以上の確率で妊娠を阻止します。

経口避妊薬はいつ服用を開始するべき?


"経口避妊薬の服用を忘れた場合にはどうすればいいか?

一般的な経口避妊薬は月経周期5日までに服用することが推奨されています。
基本的には月経周期1日目が望ましいと考えられていますが、多くの経口避妊薬は3日以内に服用するよう指示されています。
月経周期5日目以降に経口避妊薬を服用しても、卵胞発育がすでに十分進行してしまい排卵を抑制できないことがあると報告されています。
月経周期5日以内に経口避妊薬を服用するのは、日本産婦人科学会のガイドラインやWHOの指針とも合致してます。
それを過ぎて経口避妊薬を服用した場合は、追加で避妊方法を用いるか、7日間は性交渉を避けるべきです。
緊急避妊薬(アフターピル)は、心配な性交渉があれば72時間(3日間)以内に服用すれば、避妊効果が得られるといわれています。
服用が遅くなればなるほど妊娠するリスクが上がってしまうため、可能な限り速やかに緊急避妊薬を服用するようにしてください。

経口避妊薬の服用を忘れた場合にはどうすればいいか?


"経口避妊薬の服用を忘れた場合にはどうすればいいか?

1錠の服用忘れに気がついた場合には、飲み忘れた錠剤をなるべく早くに服用し、残りの錠剤は予定通りに服用してください。
2日以上の服用忘れに気がついた場合には、飲み忘れた錠剤のうち直近のものをなるべく早く服用し、残りの錠剤を予定通り服用するとともに、7日間連続で経口避妊薬を服用するまではコンドームを使用したり、性交渉を避けるなどの他の避妊法法を併用してください。
経口避妊薬の服用を1周期に1回以上忘れる女性の割合は、決して少なくはありません。
日本婦人科学会の発表では、主観的調査では19%、客観的調査では81%の女性の方が1回以上経口避妊薬の服用を忘れています。
最初の7日間を飲み忘れなく経口避妊薬を服用できれば、第2~3週に服用を忘れても多くの場合排卵は起こらないとされています。
しかし、経口避妊薬の飲み始めまたは終わりで服用を忘れ休薬期間が7日を超える場合には、排卵の確率が高くなるので注意が必要するようにしてください。

病気などによって嘔吐・下痢があった場合の対処法は?


"病気などによって嘔吐・下痢があった場合の対処法は?

経口避妊薬服用後2時間以内に嘔吐・下痢した女性は、速やかに再度1錠服用するようにしてください。
24時間以上続く嘔吐または重度の下痢が続いている場合は、一旦経口避妊薬の服用を中止し、回復後の対処は、経口避妊薬を飲み忘れた時のパターンに準じて服用を再開してください。

経口避妊薬を服用できない人は?<禁忌>


"経口避妊薬を服用できない人は?

経口避妊薬によって多少違いはありますが、経口避妊薬に共通する一般的な禁忌は以下の通りです。

・経口避妊薬の成分に対し過敏症素因のある女性。
・乳癌の患者。
・診断の確定していない異常性器出血のある患者。
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往歴のある患者。
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者。
・前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者。
・肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者。
・血管病変を伴う糖尿病患者。
・血栓性素因のある患者。
・抗リン脂質抗体症候群患者。
・30分以上の大手術では手術前4週以内、術後2週以内、および長期間安静状態の患者。
・重篤な肝障害のある患者。
・肝腫瘍のある患者。
・高血圧のある患者。(軽度の高血圧の患者を除く)
・耳硬化症の患者。
・妊娠中に黄疸、持続性そう痒症または妊娠ヘルペスの既往歴のある患者。
・妊娠または妊娠している可能性のある女性。
・産褥6ヵ月未満の授乳婦。
・静脈血栓塞栓症のリスク因子のない産褥21日未満の非授乳女性。
・思春期前の女性。
・脂質代謝異常のある患者。

この中で、35歳以上で1日15本以上の喫煙者に該当する方は、節煙をすることで慎重投与ではありますが経口避妊薬の服用が可能になります。
健康の保持・増進にもつながりますので、経口避妊薬の服用を希望する喫煙者の方は節煙することが推奨されています。

どのような場合に経口避妊薬の服用を中止するべき?


"どのような場合に経口避妊薬の服用を中止するべき?

経口避妊薬を服用して以下のような症状があらわれた場合、服用を中止することが推奨されています。
症状とその症状があらわれた場合の疾患を紹介しますので、以下のような症状があらわれた場合は経口避妊薬の服用を中止し、医療機関を受診するようにしてください。

・片側または両側の下肢の(特にふくらはぎ)の痛みと浮腫
→深部静脈血栓症の疑い

・胸痛、胸内苦悶、左腕・頸部等の激痛
→心筋梗塞、狭心症の疑い

・呼吸困難(突然の息切れ)、胸痛、喀血
→肺塞栓の疑い

・突然の激しい頭痛、持続性の頭痛(片頭痛)、失神、片麻痺、言語のもつれ、意識障害
→出血性・血栓性脳卒中の疑い

・頭痛、痙攣、悪心嘔吐、意識障害
→脳静脈血栓症の疑い

・視野の消失、眼瞼下垂、二重視、乳頭浮腫
→網膜動脈血栓症の疑い

・黄疸の出現、掻痒感、疲労、食欲不振
うっ滞性黄疸、肝障害の疑い

・肝臓の腫大、疼痛
→肝腫瘍の疑い

・長期の悪心、嘔吐
→ホルモン依存性副作用、消化器系疾患の疑い

・原因不明の異常性器出血
→性器癌の疑い

もし、経口避妊薬を服用中に妊娠してしまったら?


"もし、経口避妊薬を服用中に妊娠してしまったら?

経口避妊薬は、適切な用法で服用するのであれば確実な避妊効果を得ることができます。
しかし、経口避妊薬を飲み忘れたり、服用を始めたばかりの時期ですと妊娠してしまうことがあると報告されています。
経口避妊薬は避妊を目的としたもので、妊婦がしたときの安全性は確立されていません。
妊娠が確認された場合には直ちに服用を中止するようにしてください。

経口避妊薬の過信は禁物!必要であればコンドームなどの避妊方法も併用しましょう


"経口避妊薬の過信は禁物!必要であればコンドームなどの避妊方法も併用しましょう

経口避妊薬は、適切な服用方法を実行すれば確実な避妊ができると報告はされています。
しかし、経口避妊薬を飲み忘れたり薬がうまく効かないなどの不測の事態も起こりえます。
そのため、確実な避妊を遂行するためにも経口避妊薬以外の避妊方法を実行するのがおススメです。
とくに、性病の感染予防などにも効果的なコンドームの着用をするのが推奨されているので、必要であれば併用するようにしてください。

原稿作成:薬剤師 白鳥勇磨

参考サイト
http://www.jsognh.jp/common/files/society/guide_line.pdf
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
http://rhic.kenkyuukai.jp/special/?id=4368

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