2018年10月26日

2019年08月06日

危険日と安全日っていつなの?妊娠する確率は?妊娠したい時は?避妊・妊娠の疑問解決【薬剤師コラム】

身体の中で何が起こったら妊娠するのでしょうか?
性交して膣内に入った精子が膣から子宮へ泳いでいき、卵管膨大部という場所で卵子と出会い合わさって受精卵となり、子宮に戻って子宮内膜に着床したら晴れて妊娠が成立します。

精子にとっては「卵子と出会う」ことが妊娠への重要なキーポイントとなります。
卵子はどこから来るのかというと、女性の卵巣内の成熟した卵胞から飛び出します。この卵子が出てくることを「排卵」と呼びます。卵子は卵管内を進み、卵管の一番太い部分である卵管膨大部で精子の到着を待ちます。
女性の体内では、卵胞を成熟させる→排卵する→妊娠の準備をするという平均28日間のサイクルが何十年も行われます。排卵日は健康な女性であれば、一般的に月経開始日のおよそ14日前となります。
尚、妊娠に至らない場合は排卵日から約2週間後に生理が来ます。

女性にとっては毎月1回起こる排卵によって妊娠の可能性が左右されるため、排卵日を基準として妊娠しやすい日(危険日)や妊娠しにくい日(安全日)を把握するようになりました。
ここでは避妊・妊娠への疑問が少しでも解決するように分かりやすく説明していきます。
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安全日とは?



妊娠しにくい期間の一般的な呼び方です。排卵が終わってから数日後~次の生理開始日までのおよそ7日間が安全日です。
卵子の寿命は12~24時間であるため、排卵日から数日経ったら精子が子宮に到達しても卵子がいないので妊娠に至りません。

危険日とは?



妊娠しやすい期間の一般的な呼び方です。排卵する3日前~排卵した翌日までのおよそ5日間、すなわち「排卵期」が危険日です。
卵子の寿命が12〜24時間に対して精子の寿命は3〜5日間と比較的長く、この期間は卵子と精子が出会いやすく妊娠に至る可能性が一番高い時期となります。

生理中は安全日?



生理中のセックスでは妊娠しないと言われていますが、妊娠する可能性は決してゼロではありません。
排卵しても受精や着床をせず妊娠に至らなかった場合、通常では排卵日から約2週間後に生理が来ます。
そのため生理中は排卵がないから妊娠しようがないと言われますが、排卵日がずれる・子宮内の精子が数日も長生きするなど様々なタイミングが合致したら、生理中のセックスで射精された精子が卵子と出会い受精・着床し妊娠に至ることは十分あり得ます。
ただし、生理中は免疫力や膣の自浄作用が低下していて刺激すると炎症やトラブルを起こしやすいので、本来生理中のセックスは控えることを推奨します。それでもセックスする場合はコンドームを使用し、軽めのセックスにしておきましょう。

安全日や危険日を計算して把握できる?



生理が毎月ほぼ同じ周期の日数で規則的に来る方は、以下のように考えておくといいでしょう。
安全日:「生理前の7日間」
危険日:「次の生理予定日から14日前付近の5〜7日間」
排卵日:「次の生理予定日から14日前」

しかし、どんなに健康体でも生理周期の日数は2〜3日変動することが大半です。もっとバラバラな日数になることも多いです。そうなると素人判断で排卵日を特定して安全日や危険日を正しく把握するのは難しいでしょう。

100%の精度ではないですが、自分の排卵日が予測できる方法が2つあります。

1.基礎体温を測り、基礎体温表を作る

「基礎体温」は、朝目が覚めた後にそのまま動かずに(起き上がったりしないでください。)測る体温のことです。毎日一定の時間に、舌の下に婦人体温計(基礎体温専用の体温計で、普通の体温計とは別ものです。)を差し込み寝ている状態で計測します。
そして毎日の体温を毎日記して、生理周期ごとの線グラフにします。

健康な成人女性はホルモンバランスの変化によって、排卵日を境に「低温期」と「高温期」に分かれます。
排卵は低温期の最終日に起こり、ガクッと特に体温が下がるのが排卵日の特徴です。排卵日後は急に体温が上がり、生理予定日直前まで高い体温を維持します。生理予定日付近になると、再び体温が下がります。
実際に排卵日が確認できるのは高温期になった後なので計測し始めの頃は排卵日は分かりにくいですが、何周期がグラフにすると自分の排卵日はここだという日が目視できるので予測しやすくなります。
スマートフォンで基礎体温のグラフが簡単にできるアプリが多数ありますし、スマートフォンと連動して記録できる婦人体温計も販売されています。

基礎体温をつけることは自分の身体やホルモンバランスの状態を知ることができ、一定の時間に計測するという習慣から生活リズムも整うため非常にお勧めです。特に妊活中の方にとって基礎体温を測ることは基本中の基本だと言えるでしょう。

尚、ホルモンバランスの変化によって基礎体温が下がったり上がったりするメカニズムについて説明します。
生理が始まってから排卵日前までの生理周期前半を「卵胞期」と呼びます。この時期は排卵に向けて身体が準備をする時期で、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まります。基礎体温はエストロゲンの作用により「低温期」になります。
そして排卵日=「排卵期」を迎え、卵巣から卵子が飛び出す排卵が起こります。
その後、排卵日翌日から次の生理開始日までの生理周期後半を「黄体期」と呼びます。この時期は妊娠に向けて身体が子宮環境を整える時期で、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が高まります。この時プロゲステロンは受精卵が子宮内膜に着床しやすいように内膜を増殖して受精卵のベッドを作っています。基礎体温はプロゲステロンの作用により「高温期」になります。
妊娠に至らなかった場合はプロゲステロンの分泌が減るため、体温は再び下がって厚くなった内膜が剥がれ生理が起こります。

そのため、1周期分の基礎体温を折れ線グラフにすると「低温期」と「高温期」の2段階に分かれるため排卵日を把握することができるようになります。
そしてこの排卵日付近の数日間が危険日となります。

2.排卵検査薬を使用する

妊娠を希望している場合は排卵検査薬の使用を推奨します。
排卵期に急激に分泌が増える「黄体形成ホルモン(LH)」を尿中で検出する方法で、事前に排卵日を予測することができます。
お値段はやや張りますが、薬剤師のいるドラッグストアなどで簡単に購入できます。また海外製の排卵検査薬は比較的安価で、ネットで購入できます。

商品によって異なりますが、日本で販売されている排卵検査薬は尿中LH値が20〜50mIU/ml以上になると陽性反応が発現します。基本的には、排卵予定日の数日前から使用を開始して様子を見ます。陽性が出たら、2日以内に97%の確率で排卵が起こると言われています。陽性反応が出た日=排卵日ではないので注意してください。

避妊薬について



妊娠を希望しないのであれば、避妊が必須です。日本ではコンドームが最も一般的ですが、近年では低用量ピルが若年層を中心に普及しています。ただし、低用量ピルでは性感染症は防げないので注意が必要です。性感染症を防ぐためにはコンドームを使用しましょう。

・低用量ピル
世界的に有名な経口避妊薬です。排卵を確実に抑制するため、正しく服用すればほぼ100%の避妊効果が得られます。日本でも近年多く普及しており、避妊目的以外にもホルモンバランスを整える効果があるため月経困難症、月経前症候群(PMS)などの治療に使用されています。

トリキュラー21:第2世代の低用量ピルです。順番に従って服用するという縛りがありますが、生理周期に合わせて女性ホルモン量がその時のベストになるように絶妙なバランスで配合してあることが特徴です。世界中で非常に人気があります。

ノベロン(マーベロンジェネリック):第3世代の比較的新しい低用量ピルです。従来の低用量ピルより副作用が少ないことが特徴です。ジェネリック医薬品であるためお買い得です。

マイクロジノン21:トリキュラーと同成分の低用量ピルです。トリキュラーとは違い全ての錠剤が同一含有量であるため服用が簡単です。海外では非常に人気のある薬です。

ダイアン35:小柄な体格のアジア人のために開発された新しい低用量ピルです。日本では未認可の成分が含有されていまが、飲みやすさと副作用の少なさで人気です。

ヤスミン:第4世代の一番新しい低用量ピルです。超低用量ピルと呼ばれるほど女性ホルモンの含有量が少ないですが、高い効果があり副作用が少ないです。月経困難症の治療にも多く使用されます。

・アフターピル
経口緊急避妊薬です。避妊に失敗した時、性交後72時間以内に服用します。
常備しておくと安心ですが、含有しているホルモン量が多く副作用など身体の負担が大きいので決して常用はしないでください。

アイピル:日本の医療機関でも使用されている緊急避妊薬「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。世界中で非常に有名&人気のあるアフターピルで、副作用が比較的少ないと言われています。

エラワンジェネリック:日本の医療機関でも使用されている緊急避妊薬「エラワン」のジェネリック医薬品です。従来のアフターピルは72時間以内でなければ避妊効果は期待できませんでしたが、本剤は120時間以内まで避妊効果を維持できるのが特徴です。

妊娠したい場合は?



今までの話は避妊寄りでしたが、妊娠を希望する場合は簡単に言えば逆の話なので「危険日」に注目することになります。危険日=チャンスデーですね。
産婦人科の不妊治療の現場でも、危険日を予測して性交を行うことをタイミングを合わせるという意味から「タイミング法」と呼びます。

最も妊娠しやすいのは、排卵日の2日前~排卵日です。排卵日当日よりも前日や前々日の方が確率が高いと言われています。
健康な20代の男女でこの期間に妊娠する確率はおよそ30%ほどで、年齢が上がると確率は下がっていき35歳を超えると妊娠率は大きく下がります。
生殖機能に問題のない男女が一般的な性生活を送っている場合、半年で5割、1年で9割近くが妊娠すると言われています。

女性にはタイムリミットがあります。近年では「AMH」という自分に残された卵子数(卵巣年齢)が分かる検査もできるようになりました。
タイミング法を試していてもなかなか妊娠しない、特に35歳以上の方は早めに産婦人科や不妊クリニックで検査を受け、赤ちゃんを授かるために適切な治療を受けることをお勧めします。

原稿作成:薬剤師 浅田マキ
参考文献:http://www.hanaoka-ladiesclinic.com/funin/kiso.html
http://jp.rohto.com/dotest/products/lh/

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