2018年03月19日

2018年05月18日

飲み会シーズンに大活躍!お酒を飲むときにおススメのお薬たち【薬剤師コラム】

春が近づいてきて、そろそろ歓送迎会のシーズンになってきましたね。
この時期になると送別会や歓迎会、はたまたお花見など、お酒を飲む機会が増えてきます。
飲み会の多い方ですと連日のようにお酒を飲み、1日で複数の飲み会に参加する方もいて、二日酔いや胃のむかつきに悩まされている方もいるのではないでしょうか?
今回は、そんな歓送迎会に限らず、お盆やクリスマス、年末年始などお酒を飲むことが多い方におススメのお薬やサプリメントを紹介していきます!
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そもそもお酒(アルコール)とは?



みなさん娯楽としてお酒を嗜まれていますが、一般的にみなさんが飲まれているお酒の主成分アルコールをどのくらいご存知でしょうか?
アルコールにはいくつかの種類があるのですが、みなさんが飲まれているアルコールは、エタノールという名前が正式名称です。
エタノールは、お酒として飲まれるだけでなく、様々な用途で使用されています。
消毒剤や化粧品、食品添加物、燃料などとしてもエタノールは利用されています。
医薬品としても最近注目されており、局所的に注入することで癌細胞を壊死させる効果があるとわかり、肝癌の治療でも利用されています。

お酒を飲むとどうなるの?



お酒に含まれるエタノールを摂取すると脳の中枢神経系が抑制され、いわゆる「酔い」といわれる状態になります。
飲酒してエタノールを摂取した量に応じて「酔い」の症状は深まり、脳の高位機能である判断力、集中力、理性が低下します。
それによって脳の低位機能である本能が表面に出るようになり、軽い興奮状態、多幸感を得ることができます。
適度な飲酒であればストレス発散やリラックス効果があり、非常にメリットのある行為です。
しかし、過剰な飲酒やお酒に弱い方が飲酒をすると「悪酔い」といわれる状態になります。
会話がおぼつかない、意識が曖昧になる、足がふらふらする(千鳥足)、吐き気などの症状があらわれます。
さらに症状が進行してしまうと急性アルコール中毒を起こし、呼吸機能や心拍機能の低下、意識の消失、最悪の場合は死に至ります。
また、急性アルコール中毒とは異なりますが、大量に飲酒をすることで翌日に気分が悪かったり、吐き気や頭痛などの症状を起こす「二日酔い」になることがあります。

二日酔いとは?



エタノールは、摂取した後に体内でアルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール脱水素酵素)によってアルデヒドに分解され、さらにアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アセトアルデヒド脱水素酵素)により酢酸に分解されます。
酢酸は水と二酸化炭素に分解されることによって、最終的にエタノールは体内から排出されます。
エタノールの中間代謝物であるアセトアルデヒドは毒性が非常に高く、これが二日酔いの原因物質となっています。
アルコール脱水素酵素によって生じたアセトアルデヒドは、少量であれば速やかにアセトアルデヒド脱水素酵素によって無害な酢酸に分解されるため二日酔いにはなりません。
しかし、アルコール脱水素酵素の働きが活発でアセトアルデヒドの生成が早いか、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱くてアセトアルデヒドの分解が遅い場合、アセトアルデヒドの量が過剰になり二日酔いを起こしてしまいます。
つまり二日酔いは、自分のアルコール分解能力を超えた量飲酒してしまうことで起こります。
主な症状は、頭痛、吐き気、のどの渇き、胸のむかつき、身体の震えです。
とくに胸のむかつきは、アルコールが胃粘膜を刺激することで胃酸分泌が過剰になり、胃が荒れてしまうことで起こります。
場合によっては胃酸が逆流して、食道まで荒れてしまう逆流性食道炎を起こすこともあります。
それでは、これらの悪酔いや二日酔いを抑えるのにおススメのお薬やサプリメントを紹介していきます。

五苓散(ごれいさん)



五苓散は、医師や薬剤師の方も飲み会のときには必ずといっていいほど服用するお薬です。

お酒を飲んだ次の日に、顔がむくむ、二日酔いになりやすいなどの方におススメの漢方薬です。
五苓散は沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、桂皮(けいひ)などの生薬を配合しています。
服用することで身体の働きを活性化し、余分な水分を体外に排出する働きがあります。
これによって過剰に摂取してしまったアルコールによって起こるむくみや、頭痛、吐き気、むかつきなどの二日酔いの症状を治療することができます。

パーティスマート



パーティスマートは、インドの伝統的な医学アーユルヴェーダに基づいて作成されたサプリメントです。
アーユルヴェーダの医薬品は、西洋医学と違い、天然由来の成分で構成されているため安全性が非常に高いにもかかわらず強力な効果が得られるのが特徴です。
パーティスマートも、五苓散のような漢方薬と同じで、身体にとってプラスに働く効果をもつ生薬を複数組み合わせて作られています。
服用することで二日酔いの原因であるアセトアルデヒドの分解をサポートし、つらい頭痛や吐き気、倦怠感などの症状を改善することができます。
また、お酒の飲み過ぎは肝臓にも負担をかけるのですが、パーティスマートは肝臓を保護し回復させる効果も期待できます。
パーティスマートはお酒を飲んだ翌日の二日酔いの症状がつらい時に、1回1カプセル服用するだけで二日酔いの症状を改善することができます。
もともとお酒に弱くすぐに気分が悪くなったり、翌日にお酒を持ち越してしまう方は、飲み会の前に服用することでも二日酔い予防や肝臓への負担を減らすことができるのでおススメです。

ウルソ(ウルソデオキシコール酸)



ウルソは、お酒などによってダメージを受けた肝臓を回復するお薬です。
ウルソは、有効成分としてウルソデオキシコール酸を含有し、医薬品としても肝疾患や消化不良の治療薬として利用されています。
最近ではその優れた薬効により、C型慢性肝疾患における肝機能の改善にも使用されるようになりました。
有効成分ウルソデオキシコール酸は1927年に日本人によって発見されました。
その後1957年にウルソが販売されてから、ウルソデオキシコール酸は世界中で利用されています。
市販薬としても注目されており、薬局やドラッグストアなどで栄養ドリンクやタブレット剤として販売されています。
肝臓がダメージを受けると倦怠感や疲労感などの症状があらわれます。
ウルソデオキシコール酸は肝臓の血流を改善することで肝臓の細胞を回復させ、疲労感や倦怠感の症状を改善します。
また、消化酵素の働きをサポートし、消化吸収機能を回復する効果もあります。
二日酔いで倦怠感のある方や、胃のもたれ、ムカムカ、食欲低下などの症状がある方におススメのお薬です。
ジェネリック医薬品も豊富で、個人輸入で安価に大量に手に入れることも可能です。(ウジリブなど)

ハイチオール(L-システイン)



シミやそばかす、ニキビなどの肌トラブルの強い味方であるハイチオールですが、なんと二日酔いの解消にも効果があります。
有効成分L-システインはアミノ酸の1つですが、美白や蕁麻疹の薬としてだけでなく二日酔いの原因物質アセトアルデヒドを分解するのを補助する働きも持っています。
L-システインは様々な用途で使用されており、皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒作用を持ち、代謝機能を高めることで二日酔いの疲労感やけだるさの改善効果も期待できます。
お薬としてだけでなく、サプリメントとしてL-システインが500mgの高用量含有しているものも海外では販売されています。

ガスター(ファモチジン)



ガスターは、食べ過ぎや飲み過ぎによる胸やけやもたれを解消するお薬です。
アルコールによって荒れてしまった胃の症状も治療することができ、多くの方に利用されています。
胃酸は、正常な状態であれば胃腸に侵入してきた細菌を殺したり、食事を消化するのを補助したりする働きがあります。
しかし、アルコールを過剰に摂取して胃に刺激物が大量に侵入すると胃の粘膜は弱まり自らの胃酸によってダメージを受け、荒れてしまいます。
有効成分ファモチジンはヒスタミン受容体拮抗薬といわれるお薬です。
胃酸の分泌を促すヒスタミンといわれる成分の作用を阻害し、胃酸の分泌を強力に抑制し荒れてしまった胃粘膜を治療します。

レグテクト(アカンプロサート)



このお薬は悪酔いや二日酔いのお薬ではありませんが、頻繁にお酒を飲む方に関係するお薬です。
レグテクトは、アルコール依存症の治療として使用されているからです。
アルコール依存症は、飲酒のコントロールが自分自身でできなくなり、普通の社会生活ができなくなる状態です。
飲酒に対する強い欲求が抑えられず、1日中アルコールの摂取がやめられなくなります。
お酒を飲まないと禁断症状として、手の震えや発汗、動悸、不安、イライラ、不眠などの症状があらわれます。
症状のひどい方ですと幻覚や痙攣を起こす方もいます。
有効成分アカンプロサートは、服用することで脳の神経に働いてお酒を飲みたいという欲求を抑える新しいタイプのお薬です。
1980年にフランスで承認・販売されて以来、世界中でアルコール依存症の方の治療に利用され、日本でも多くの方に服用されています。
どうしてもお酒を飲むのをやめられない方におススメのお薬です。

まとめ



いかがでしたか?
アルコールは適度な量であればたくさんのメリットがありますが、度を越してしまうと毒にもなります。
「酒は飲んでも飲まれるな」といいますが、飲み過ぎは多くのデメリットがあります。
お酒を飲んで体調を崩してしまわないように、今回紹介したお薬を活用して、みなさん飲み会を楽しんでください。

原稿作成:薬剤師 白鳥勇磨

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