2018年03月09日

2018年05月18日

花粉症は眠くならずに治療ができる!?眠くならないお薬たち【薬剤師コラム】

みなさん花粉症に毎年悩まされていませんか?
鼻水や鼻づまり、目の痒みはつらいですよね。
でも花粉症の薬を飲んだら副作用の「眠気」がでてしまうからと、薬を飲むのを我慢してはいないでしょうか?
それは大きな間違いです!
花粉症は、眠気の副作用を出さなくても治療することができるんです!
今回は、そんな社会人の方や受験生の方のように、眠気の副作用を出すわけにはいかない花粉症の方にお勧めの花粉症治療薬を紹介していきます。
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そもそも花粉症とは?



現在、日本では4人に1人が花粉症といわれていますが、みなさんは花粉症のことをどれくらいご存じでしょうか?
一般的に、花粉症はアレルギー性鼻炎といわれる疾患です。
主な症状は、つらい鼻水、鼻づまり、くしゃみや目の痒み、涙、充血です。
花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
スギやヒノキなど、アレルゲンとなる花粉が飛ぶ季節にだけ症状があらわれるのが特徴です。
基本的には春の時期に花粉症になる方が多いですが、日本では約60種類以上の植物が花粉を飛ばしているので、夏や秋など1年中花粉症の症状のある方もいます。
花粉のようなアレルギー物質が体内に入ると、それに反応して体内でアレルギー反応を惹起する化学物質(ケミカルメディエーター)が分離されます。
そのケミカルメディエーターによって鼻水、鼻づまりなどの花粉症状が起こります。

花粉症のお薬とは?



花粉症はアレルギー症状なので、抗アレルギー薬が治療に使用されています。
抗アレルギー薬とはかなり広義の意味であり、それらは作用によりさらに細かく分類することができます。
ケミカルメディエーターの遊離を抑制するケミカルメディエーター遊離抑制薬と、遊離されたケミカルメディエーターが作用するのを阻害する抗ケミカルメディエーター薬(主に抗ヒスタミン薬)が存在します。
とくに抗ヒスタミン薬は、花粉症の治療として非常に多くの方に服用されています。

抗ヒスタミン薬の特徴は?



抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの作用を抑制するお薬です。
歴史の古いお薬ですが、その優れた効果から現在でも新しい抗ヒスタミン薬が開発され続けています。
そのため、抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代の抗ヒスタミン薬に分かれています。
第1世代の抗ヒスタミン薬は脳への移行性が高いため、中枢神経系にも作用してしまい眠気の副作用を引き起こしてしまいます。
この眠気の副作用があることで、社会人や受験生の方が簡単に花粉症の薬を服用できないのです。
服用してしまうと、思わぬ事故を起こさないように自動車の運転や、オートバイ、危険な機械の操作も禁止になります。
眠気の副作用が強いために、第1世代の抗ヒスタミン薬は睡眠導入剤としても利用されるほどです。
第2世代の抗ヒスタミン薬はこれらの副作用を抑えつつ、効果の持続時間を延長しているので、いまはこちらのお薬が花粉症の治療で主に使用されています。
第2世代の抗ヒスタミン薬の中には、抗ヒスタミン効果だけでなく、ケミカルメディエーター遊離抑制作用も併せ持つ強力なものが多く開発されています。
そんな第2世代抗ヒスタミン薬の中で、眠気のない or 少ないものを紹介していきます。

フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)



有名な花粉症のお薬フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)です。
テレビのコマーシャルでも、嵐の大野くんが紹介しているので知っている方も多いのではないでしょうか?
アレグラは抗ヒスタミン薬の中で、眠気が最も少ないものといわれています。
有効成分フェキソフェナジン塩酸塩は脳内にほとんど移行しないので、眠気の副作用を起こさないにもかかわらず1日2回服用することで強力に花粉症のくしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状を抑えることができます。
アレグラは様々なタイプの剤型があるのが特徴で、大人から子供まで多くの方に服用されています。
普通の錠剤(30mg、60mg)だけでなく、口腔内崩壊錠(60mg)、粉薬のドライシロップが販売されています。
個人輸入を利用して購入するのであれば、日本では販売されていない180mgの強力な効果を持つアレグラも手に入れることができます。
アレグラの歴史は古く、安全性も確保されているため多くのジェネリック医薬品があるのもメリットの1つです。

ロラタジン(クラリチン)



こちらも眠気の少ない抗ヒスタミン薬です。
クラリチンを服用して自動車の運転に対する影響をみた試験では、クラリチンを服用しなかった場合ととくに変化がなく、眠気をほとんど起こさないといわれています。
1日1回服用するだけで24時間効果が持続し、花粉症症状を抑えることができます。
普通錠(10mg)や、口の中で溶けるレディタブ錠(10mg)、粉薬のドライシロップが販売されています。

デスロラタジン(デザレックス、エリアス)



このデスロラタジンは(デザレックス、エリアス)は、クラリチンをさらに改良した抗ヒスタミン薬です。
デザレックスは日本での販売名で、エリアスはEUやカナダなどの海外での販売名です。
クラリチンの有効成分ロラタジンのうち、主に抗アレルギー作用をあらわす主要活性代謝物のみを抽出したものがデスロラタジンです。
そのため、効果がクラリチンよりも優れているので現在ではこちらの方が主に花粉症の治療に利用されています。
眠気の副作用もクラリチン同様、服用していない場合と違いはなく、安心して服用することができます。
クラリチンの弱点の1つに食後に服用する必要がありましたが、デスロラタジンは食事の影響を受けず好きなタイミングで服用することができます。
眠気を起こしにくい花粉症治療薬では、いま最も注目され、お勧めのお薬です。

デスロラタジンは日本だと人気がない?



デスロラタジンは、優れた抗アレルギー効果があり、海外では多くの花粉症の方に使用されていますが、日本ではまだまだ普及していません。
それは、海外では1988年から販売されていましたが、日本で承認されるのがかなり遅く、2016年になってからだったからです。
販売されて間もないお薬は14日分までしか処方できないというルールがあり、日本の病院からは大量に処方してもらうことができませんでした。
花粉症は2~3ヵ月くらい症状が続く場合もあるのに、14日に1回の頻度で頻繁に病院を受診するのはかなり労力がかかりますよね?
頻繁に病院を受診するほど処方料や診察料もかかり余計にコストもかかってしまいます。
現在では処方制限14日のルールは解除されていますが、まだ病院から長期間処方してもらうのは難しいのが現状です。
優れた効果があるのにデスロラタジンを服用できないのはかなりもったいないです!
個人輸入を利用すれば、デスロラタジンの海外での販売名エリアスを購入することができ、頻繁に病院を受診せずコストも安く抑えながら手に入れることができるのでお勧めです。

眠気以外の副作用も要注意!場合によっては目薬や点鼻薬の使用も?



花粉症治療薬の1番のデメリットは眠気の副作用といっていいかもしれませんが、他にも副作用を起こすことがあります。
主な副作用として、口の渇き、吐き気、便秘などの症状を起こします。
とくに、口の渇きはヒトによっては耐え難いもので、薬の服用をやめてしまう方もいます。
また、上で紹介されている飲み薬の第2世代抗ヒスタミン薬は、少ないとはいわれながらも体質によっては眠気の副作用を起こしてしまう方もいます。
飲み薬では絶対眠くなってしまうという方や口の渇きなどの副作用が耐えられないという方には、目や鼻に直接使用する花粉症治療薬の目薬や点鼻薬を使用するのがお勧めです。
効果が強力なものが多いため、飲み薬を服用せずともこれだけで花粉症を乗り切っている方もいます。

主な花粉症治療の目薬や点鼻薬は?



花粉症で使用されている目薬には以下のようなものがあります。
オロパタジン(パタノール)
エピナスチン(アレジオン)
ケトチフェンフマル酸(ザジテン)
トラニラスト(リザベン)
そのなかでもとくにお勧めなのがオロパタジン(パタノール)です。
オロパタジンは飲み薬でも花粉症治療薬として使用されています。
抗ヒスタミン薬とケミカルメディエーター遊離抑制作用をもち、効果が強力なのですが副作用の眠気が強いという特徴があります。
しかし、目薬として使用する分には眠気の副作用を起こすことはありません。
点眼することで目の痒みや充血などのアレルギー症状を速やかに解消します。
海外でも多くのユーザーに使用されており、多くの利用者がいます。(オロブルー、イフ2など)
花粉症治療点鼻薬のお勧めは、フルチカゾンプロピオン酸(フルナーゼ点鼻液)です。
有効成分のフルチカゾンプロピオン酸は抗ヒスタミン薬ではなく、ステロイド性の抗アレルギー薬です。
ステロイド性のお薬なため効果が強力で、鼻の粘膜で起こっているアレルギー症状を速やかに鎮静化し、鼻水・鼻づまりの症状を抑えることができます。
ステロイド性のお薬をなんとなく怖がられる方もいますが、心配は無用です。
内服のステロイド薬とは異なり、点鼻薬として局所的に作用をあらわすため安全性が高く、意味もなく長期間使用したり、誤った用法で大量に使用しない限りは副作用の心配はありません。

花粉症は症状があらわれる前に治療を開始するのがベター



今回は、眠気などの副作用が少ない花粉症薬を紹介させていただきました。
花粉症の治療は、症状があらわれる前から薬を使用し、花粉が飛んでる時期は使用を継続するのがより効果的といわれています。
必要であれば、内服の薬だけでなく目薬や点鼻薬と併用することで花粉症の症状をより抑えることもできます。
花粉症で悩んでいるみなさんも、今年は紹介させていただいたこれらのお薬を使用して快適な春を過ごしてください。

原稿作成:薬剤師 白鳥勇磨