2018年05月11日

大人ニキビもきれいに治る!おススメのお薬たち【薬剤師コラム】

美肌の最大の敵であるニキビ、みなさんは気になっていますか?
お顔のニキビは、男性の方も女性の方も悩みの種ではないでしょうか?
睡眠不足や生活習慣の乱れ、ダイエットや便秘、不規則な食習慣や仕事のストレスなど様々な要因によってニキビができてしまいます。
思春期の頃は成長に伴うホルモンの変化や活発な皮脂の分泌が原因で、成長につれて簡単に治りますが、大人のニキビはそんなに簡単には治りません。
今回は、そんな気になる大人のニキビ治療に効果のあるお薬を紹介していきます。
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ニキビとは?



ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれています。
日本人は、思春期以降に90%以上の人が経験する疾患であることから「ニキビは青春のシンボル」といわれています。
ニキビは顔にできやすく周囲の人間の目につきやすいため、中高生の時期はイジメの原因になったり、コンプレックスの原因になったりしていました。
ニキビは中高生の方たちの悩みの種ですが、生理的現象として軽視されがちで、いままで皮膚疾患としての認識が十分ではなく、積極的にニキビを治療する方はニキビ患者全体の10%に過ぎませんでした。
しかし、ニキビは脂質代謝異常(内分泌的因子)、角化異常、細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症性疾患であり、立派な皮膚疾患です。
ニキビは軽症でも痕(あと)が残りやすいのですが、早期の適切な治療により痕ができることを防ぐことができるというデータも示されており、早期の適切な治療が日本皮膚科学会により推奨されています。

ニキビの症状は?



ニキビの最初の症状は、面皰といわれる皮脂が毛穴にたまった状態を起こします。
毛穴の閉じている「白ニキビ」と、毛穴の先が開いている「黒ニキビ」があります。
症状がさらに進行して、面皰が炎症症状を起こすと丘疹といわれる赤いブツブツとなり、さらに炎症が進むと膿疱といわれる膿がたまったブツブツになります。(赤ニキビ)
皮膚の下に膿がたまった袋ができたり、硬く大きく触れる状態になったりすることもあります。
炎症症状が治っても、盛り上がったあるいはへこんだニキビの残り痕ができてしまうことが多いです。

ニキビの原因は?



ニキビは、アクネ菌(Propionibacterium acnes)といわれる細菌が増殖することによって起こります。

アクネ菌は常在菌といわれ、もともと皮膚に存在している細菌です。
ニキビは、何らかの理由により皮脂の分泌が過剰あるいは毛穴がつまり皮脂がたまる(面皰)ことから始まります。
この面皰の内側は、皮脂が豊富で酸素が少なくアクネ菌が増えやすい環境になっています。
面皰の内側でアクネ菌が過剰に増殖することで炎症を起こし、赤いブツブツしたニキビや膿がたまったニキビを引き起こしてしまいます。
ニキビが悪化する原因としては、ストレスや睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、不規則な生活、スキンケア不足があります。

ニキビの主な治療方法は?



ニキビの治療では、日本皮膚科学会が定めたニキビ治療のガイドラインがあります。
アダパレンという毛穴の詰まりに効果がありニキビができにくくなる薬や、アクネ菌や炎症に有効な抗生物質の飲み薬と塗り薬の使用を強く推奨しています。
赤いブツブツしたニキビや膿のあるニキビであれば、アダパレンと抗生物質の飲み薬と塗り薬を併用して使い、赤ニキビがよくなった後はアダパレンで再発予防をする方法が標準的な治療法とされています。
また、病院やクリニックでは毛穴にたまっている皮脂を針で穴をあけて押し出す面皰圧出という処置も行われています。
その他の治療方法としては、漢方薬やケミカルピーリングなどもあります。
ニキビのできにくい化粧品の使用による予防も効果的です。
それでは、ニキビの治療に推奨されているお薬を紹介していきます。

アダパレン(ディフェリン)



アダパレンは面皰改善に効果の高い効果的な塗り薬であり、日本皮膚科学会のニキビ治療において推奨度A(行うよう強く推奨する)とされています。
皮膚を正常化させ、新たな面皰の形成を阻害する効果があります。
これによって面皰に続いて生じるニキビも予防することができます。
さらに、アダパレンは直接的な抗炎症作用を有することが知られています。
海外の試験では、アダパレン0.1%ゲルを12週間使用したことによりニキビが52.3%減少したと報告されています。
安全性が高く、副作用として落屑(皮膚がポロポロ落ちる)、紅斑(皮膚の赤み)、乾燥が80%程度、灼熱感、かゆみが20%程度の患者に報告されていますが、多くは軽度の症状であり使用を中止するほどに至ることはほとんどありません。

クリンダマイシン(ダラシン)



クリンダマイシンは、アクネ菌を殺菌することができる抗生物質の塗り薬です。
クリンダマイシンもアダパレン同様、日本皮膚科学会によって推奨度Aに設定されています。
ニキビのある部位に使用することで速やかにアクネ菌を殺菌し、優れた治療効果をあらわします。
副作用として乾燥、剥離、灼熱感、瘙痒があらわれることがありますが、いずれも軽微なものです。

過酸化ベンゾイル(ベピオゲル、ベンザック)



過酸化ベンゾイルは強い酸化作用を有し、容易に分解してアクネ菌に殺菌的に作用することでニキビを治療すると考えられています。
現在のところ、過酸化ベンゾイルにたいする耐性菌は見つかっていないことから、耐性菌を作らない抗菌作用を有するお薬と位置づけられています。
強力なニキビ治療効果から、3ヵ月間実施された試験では、過酸化ベンゾイルは72.7%のニキビを減少させることができたと報告されています。
副作用として、塗った部位の紅斑や皮膚剥脱などがあるもののほとんど重篤には至りません。
日本皮膚科学会により、ニキビ治療の推奨度Aに設定されています。

ミノサイクリン(ミノマイシン)



ミノサイクリンは、アクネ菌を殺菌する飲み薬です。
日本皮膚科学会によって推奨度A*(行うよう推奨する)に設定されています。
ミノサイクリンは、抗菌作用のみならず、リパーゼ活性抑制作用、白血球遊走抑制作用、活性酸素抑制作用などがあることが知られています。
これらの作用により強力にアクネ菌を殺菌し、ニキビを治療することができるといわれています。
注意点として、ニキビ治療効果が強い反面、めまいや色素沈着などの副作用の起こる頻度が比較的高く、自己免疫疾患、薬剤性過敏症症候群などの重篤な副作用があることから、注意喚起がされています。

必要であれば併用もニキビ治療に効果的!



なかなかニキビがよくならなければ飲み薬や塗り薬を複数併用するのがおススメです。
日本皮膚科学会でも、複数のお薬を併用すると効果的に治療することができるとして推奨されています。
クリンダマイシンと過酸化ベンゾイル、アダパレンと過酸化ベンゾイル、アダパレンとクリンダマイシン、アダパレンと過酸化ベンゾイルとミノサイクリンの組み合わせは、ニキビ治療において推奨度Aと設定されています。
それぞれの組み合わせは、ニキビに対する作用機序が異なるため併用することでより強力にニキビの原因のアクネ菌を殺菌し、治療することが可能です。
次に、日本ではまだ承認されていませんが海外では人気があり強力なニキビ治療のお薬を紹介します。

イソトレチノイン(アキュテイン)



イソトレチノインは強力なニキビ治療薬です。
日本では未承認のお薬ですが、アメリカなどの海外ではニキビの標準的な治療薬として多くの方に使用されており、30年以上の実績があります。
海外ではニキビ治療薬シェアの60%以上を占めているともいわれています。
有効成分イソトレチノインは、服用することで皮膚の細胞を正常化する働きがあります。
皮膚が正常化されることで毛穴の詰まりがなくなり、ニキビなどの炎症症状を改善します。
90%以上のニキビを治療し、治療するだけでなくニキビの再発も抑制することができるといわれています。
イソトレチノインは作用は強力ですが、注意することがあります。
妊娠している方がイソトレチノインを服用してしまうと、胎児への催奇形性のおそれがあるため服用しないよう注意喚起がされています。
イソトレチノインを服用している期間とその後1ヵ月間は性行為をする場合は、必ず避妊をすることが推奨されています。
妊娠、授乳、献血も避けるように注意がされています。

低用量ピル(ダイアン35)



こちらは、今まで紹介してきたニキビの原因菌のアクネ菌を殺菌したり、皮膚に直接働きかけたりするお薬とはちょっと違います。
ニキビの原因の1つに、過剰な皮脂によって起こるものがあります。
低用量ピルは、有効成分に女性ホルモンを含有し服用することで体内の男性ホルモンを抑制します。
男性ホルモンが抑制されることで、男性ホルモン由来の皮脂の過剰分泌を抑制することができ、皮膚の炎症がよくなりニキビが治療されるというお薬です。
注意点として、基本的には低用量ピルは女性が服用するためのものであるということです。
低用量ピルはニキビ治療だけでなく、避妊や月経の症状軽減のために服用するものであり男性が服用することを目的に製造・販売はされていないということなので服用しないようにしてください。

まとめ



いかがでしたか?
気になるお薬はあったでしょうか?
ニキビの治療には、これらのお薬だけでなく適切なスキンケア、規則正しい生活、バランスのとれた食事、日焼け予防などが大切です。
また、洗顔・保湿を徹底するようにしてください。
必要であれば、化粧水や保湿クリームの使用もおススメです。
今回紹介したお薬とこれらを組み合わせて、ニキビのないきれいで美しい肌を取り戻してください!

原稿作成:薬剤師 白鳥勇磨

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