2018年10月04日

2019年08月06日

春が過ぎても要注意!秋花粉症に要警戒!【薬剤師コラム】

2018年の春が過ぎ、夏や秋になってきて花粉症から解放されたと安心していませんか?
花粉症といわれるとスギやヒノキなどの春の花粉のイメージが強いかと思いますが、夏から秋にかけて発症する「秋の花粉症」にも注意が必要です。
毎年、夏の終わりから秋にかけて「鼻水・くしゃみがとまらない」などの症状が続いている方は、秋の花粉症である可能性があります。
秋の花粉症ならば、お薬を服用して症状を抑えるのがおススメです。
今回は、そんな秋花粉による花粉症の原因となる植物や症状を抑えるあるいは治療・予防するのにおススメのお薬を紹介していきます。
49

そもそも花粉症とは?


"そもそも花粉症とは?

花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
おもな症状は、つらい鼻水、鼻づまり、くしゃみや目の痒み、涙、充血です。
春であればスギやヒノキなどから飛散される花粉がアレルゲン(アレルギーの原因)となって、それが体内に侵入することでアレルギー反応として花粉症の症状があらわれます。
基本的には春の時期に花粉症になる方が多いですが、日本では一年中何かしらの植物が花粉を飛ばしているので、夏や秋にも大量の花粉が飛散しており花粉症を誘発しています。
そのため、春だけだけでなく秋花粉によって夏の終わりから秋ごろにかけて花粉症に苦しめられている方も多くいます。
それでは、秋花粉はどんな種類の植物がいつから花粉を飛ばしているのか説明していきます。

秋花粉はどんな種類の植物がいつごろから花粉を飛ばすの?


"秋花粉はどんな種類の植物がいつごろから花粉を飛ばすの/

秋花粉は主に背の低いイネ科やキク科、ブタクサ属などの植物が原因です。
春の花粉症の原因スギやヒノキなどの花粉は高い木から風にのって数10kmも飛散します。
しかし、秋花粉を飛ばす植物は丈が低く、花粉は数10mの範囲にしか広がらないという特徴があります。
秋花粉は毎年、8月頃から飛び始め10月の終わりごろまで飛んでいることが多いです。
そのため、その時期に秋花粉の原因となる植物が生えている場所に近づかなければ、かなり花粉を避けることができます。
それでは、秋花粉で注意が必要な植物を紹介してきます。

秋花粉を飛ばす要注意植物は、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ!


"秋花粉はどんな種類の植物がいつごろから花粉を飛ばすの/
・ブタクサ
ブタクサ(豚草、学名:Ambrosia artemisiifolia)はキク科ブタクサ属の一年草です。
北アメリカ原産の植物で、南アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなどの広い範囲に外来種として移入分布しています。
日本では明治初期に渡来した植物で、全国の道端や河原などに分布しています。
高さ1メートルくらいで7~10月頃に花を咲かせます。
そのため、9月中旬~10月中旬頃にかけて花粉を飛ばします。
花粉症の原因として広く知られており、日本国内では春の花粉症の原因であるスギ、ヒノキに次いで患者数が多いです。
ブタクサによる花粉症は世界3大花粉症の1つといわれ、アメリカでは最も多い花粉症といわれています。

・ヨモギ
ヨモギ(蓬、学名:Artemisia indica var. maximowiczii)はキク科の多年草です。
繁殖力が非常に強く、日本全国いたるところに自生しています。
特有の香りがあり、おひたしや汁物の具、天ぷら、草餅(蓬餅)にして日本では食べられており、日本人には馴染みの深い植物です。
適切に使用すれば生薬としても利用ができ、止血、腹痛、下痢、貧血、冷え性などの改善に使われています。
ヨモギはブタクサとならんで秋花粉の代表的植物とされています。
秋花粉を飛ばす時期はブタクサよりも早く、8月中旬ごろから花粉を飛ばしはじめて10月中旬ごろまで続きます。
アレルギー症状を引き起こす抗原性はブタクサ以上で、秋花粉の飛散量も増加傾向にあるためヨモギ花粉症の患者はどんどん増加しています。

・カナムグラ
カナムグラ(鉄葎、学名:Humulus japonicus)はアサ科(以前はクワ科)の一年草です。
カナムグラは中国大陸、台湾および日本全国の道端や荒地等の日当たりの良い場所に生育しています。
和名「鉄葎」とは強靭な蔓を鉄に例え、「葎」は草が繁茂して絡み合った様をあらわしています。
そのため、木や電柱などに絡みついている状態でカナムグラは発見されることが多いです。
窒素の豊富な場所を好む傾向が強く、畜産や農業、家庭排水などの影響により植物にとって栄養が豊富になった土壌でより繁殖しやすくなっています。
アメリカでは園芸用に栽培されたものが野生化し、外来雑草となっています。
秋花粉は8月中旬~10月中旬にかけて花粉を飛ばします。
秋の花粉症としての頻度はあまり高くはありませんが、アレルギー症状を引き起こす抗原性が強く、カナムグラが原因の秋花粉症は症状がひどくなる傾向があります。
それでは、これから秋の花粉症の治療や予防におススメのお薬を紹介していきます。

おススメの秋の花粉症治療薬


おススメの秋の花粉症治療薬
(先発品名クラリチン
ロラタジンを含有するお薬
・ローファスト10mg
・ロラクリア

ロラタジンは抗ヒスタミン薬といわれる種類のお薬です。
抗ヒスタミン薬は、古い第1世代の抗ヒスタミン薬と新しい第2世代の抗ヒスタミン薬があります。
ロラタジンは第2世代の抗ヒスタミン薬で、比較的新しく副作用が少なく効果が強力なのが特徴です。
しかし、アレルギー症状を抑える効果が強力なため、秋花粉などの花粉症症状を抑えるためだでなく、蕁麻疹・皮膚湿疹にも使用されています。
アメリカでは市販薬としても販売されており、その絶大な抗アレルギー効果によって多くの方に使用されているため、2005年の市販薬総売上高でトップ3にランクインもしました。
眠気もなく、副作用を起こしにくく効果が強力なため、多くの方に愛用されています。

デスロラタジン(先発品デザレックス)
デスロラタジンを含有するお薬
エリアス5mg(デスロラタジン)

このデスロラタジンは、上で紹介したクラリチンをさらに強力にするべく、改良を施したお薬です。
デザレックスは日本での販売名で、エリアス(Aerius)は欧州での販売名です。
クラリチンの有効成分ロラタジンのうち、主に抗アレルギー作用をあらわす成分のみを分離したものがデスロラタジンです。
クラリチンは食後に服用しなければいけませんでしたが、デスロラタジンはそのような煩わしさがなく、好きなタイミングで服用することができるようにもなっています。
そのため、効果がクラリチンよりも優れているので現在ではこちらの方が主に秋花粉による花粉症の治療に利用されています。

ケトチフェン(先発品ザジテン)
ケトチフェンを含有するお薬
・ケトチフェン1mg
・ザジテンジェネリック

ケトチフェンも第2世代の抗ヒスタミン薬です。
1970年にスイスで開発されました。
日本でも1983年には先発品ザジテンカプセルとして販売がされています。
最初は気管支喘息のアレルギー症状を抑える目的で承認されていましたが、その優れた抗アレルギー効果より、秋花粉症などのアレルギー性鼻炎や皮膚アレルギー症状(蕁麻疹、湿疹、皮膚炎等)の治療として多くの診療科で処方されています。
ケトチフェンは目薬としても開発されており、秋花粉症の時に点眼すればつらい眼の痒みや刺激感を軽減することができます。

セチリジン(先発品名ジルテック)
セチリジンを含有するお薬
・ジルテック10mg
・セチリジン10mg

セチリジンは、1986年に開発されたお薬で、世界100ヵ国以上で承認・販売されており抗アレルギー薬です。
速く・強く・長く抗ヒスタミン作用をあらわし、1日1回服用するだけで十分に効果を発揮することができます。
注意点は、眠気の副作用を起こすことがあるので自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないようにしてください。

レボセチリジン(先発品名ザイザル)
レボセチリジンを含有するお薬
・ザイザル5mg
・ザイザルシロップ

レボセチリジンは、上で紹介したセチリジンの抗アレルギー作用の強い成分のみを抽出したお薬です。
ジルテックの半分の量のザイザルを服用するだけでも十分にアレルギー症状を抑えます。
1日1回服用するだけで24時間アレルギー症状によるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼の痒み・充血、皮膚の痒みなどの秋花粉による花粉症症状を抑えることができます。
注意点はジルテックの時と同様に眠気の副作用を起こすことがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事することはできません。

秋花粉には目薬などもおススメ!
飲み薬だけでなく、眼の痒みや鼻詰まりには直接眼や鼻に使用する目薬や点鼻薬の使用もおススメです。

以下のお薬は、秋花粉症の治療におススメの点眼薬と点鼻薬です。
・オロパタジン(オロブルー点眼薬0.1%オロブルーOD点眼薬0.2%イフ2点眼液
・フルオロメトロン(フロモン0.1%)
・フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ点鼻液)

これらのお薬を飲み薬と併用することでより強力に秋花粉の症状を抑えることができます。

まとめ


"そもそも花粉症とは?

今回紹介したお薬を夏の中頃から使用しつつ、必要であればマスクなどで秋花粉を防ぐことでだいぶ秋花粉症の症状はだいぶ抑えることができるはずです。
2018年の秋は、秋花粉のお薬を飲んでみなさん快適にお過ごしください。

原稿作成:薬剤師 白鳥勇磨

上に戻る